高周波焼きばめとは?
通常金属は温めると膨張し、冷やすと収縮します。温度変化に対してこのように体積が変化することを「熱膨張」といいます。焼きばめでは、この現象を利用して部品を着脱します。金属部品を 150 °C ~ 300 °C に加熱すると膨張し、別の部品を挿し込んだり抜き取ったりできるようになります。
たとえば 2 本のパイプ部品を接合するとき、太い方を加熱して膨張させ、直径が少し大きくなったところへ、細い方を差し込みます。つながった部品が周囲温度まで戻ると、接合部に張力が生じて「収縮結合」となります。熱膨張は同様に、解体前に接合部を緩めるためにも利用されます。
メリットは?
プロセスの制御のしやすさ、一貫性、正確性、そして迅速性が、高周波焼きばめの主なメリットです。
誘導加熱による発熱は非常に正確です。熱は部品内で生成されるため、加熱したい部分だけを加熱できます。周辺空気を加熱する必要はありません。扁平リスクの低減に加え、エネルギー効率も高まります。さらに、誘導によって非常に均一かつ一貫した加熱が行われるため、多くの場合、使用する熱量はより少なくて済みます。熱上昇時間および維持温度を精密に制御できるため、温度制御が正確にできます。
従来の加熱方法と異なり、誘導においては裸火での作業は発生しません。このため高周波焼きばめは、揮発性の環境、特に石油化学の環境で広範な用途に利用することができます。
どこで利用されるのか?
幅広い分野・用途で焼きばめの利点を生かすことができます。弊社のシステムは、自動車業界でギア、ベアリング、リングなどの焼きばめに使われています。機械産業に加え、航空機や鉄道車両のメンテナンスにも利用されています。
弊社の可搬システムは船上・洋上プラットフォームの焼きばめに使われています。発電所のタービンの巨大なナットやボルトの脱着に利用されることも多くなってきています。